
「しおりは生まれながらの奴隷になるんだよ」
最初に彼はそう言った。
「おいで」「僕の許へおいで」「可愛がってあげる」「でもね」
でも・・・?
「僕の奴隷として、新しく生まれるんだよ」「奴隷として暮らすんだよ」
そうして連れて来られたのは、メインランドのプロテクト・ウォーターに面したビーチに立つ邸だった。
大きな窓、選び抜いたことが一目で分かるような上質の家具、白で統一された明るいリビング。
その上空に、この赤い部屋。
赤で統一された豪華なインテリア。まだその頃は檻もなかった。
禍々しい道具や鎖をつなぐためのものがあちらこちらにあるのに、想像したよう...