2008年8月30日土曜日

最初の日のこと

「しおりは生まれながらの奴隷になるんだよ」 最初に彼はそう言った。 「おいで」「僕の許へおいで」「可愛がってあげる」「でもね」 でも・・・? 「僕の奴隷として、新しく生まれるんだよ」「奴隷として暮らすんだよ」 そうして連れて来られたのは、メインランドのプロテクト・ウォーターに面したビーチに立つ邸だった。 大きな窓、選び抜いたことが一目で分かるような上質の家具、白で統一された明るいリビング。 その上空に、この赤い部屋。 赤で統一された豪華なインテリア。まだその頃は檻もなかった。 禍々しい道具や鎖をつなぐためのものがあちらこちらにあるのに、想像したよう...