主の膝にじゃれついて遊んでいたら、
よしよしと撫でられる代わりに鞭で追い立てられ打たれて遊ばれた。
甘えて楽しんでいたはずが、楽しまれる側になってしまった。
予想を裏切られると緊張するし、緊張は快楽への集中の前触れだ。
主は首輪の鎖を引き、その道具に腰を下ろせと言う。
そこには突き出た男の性器をグロテスクに模したもの。
いやだと言うことは許されてないし無駄なこと。
だから小さく「それは苦手です」と言ってはみるものの、そんな言葉を聞く主ではない。
諦めて足を開いてそこにまたがり、場所を確認して手をついて目をつぶり。
まだ閉じた、けれどもうとろとろと溢れそうな決壊寸前の自分の性器に、それの先をあてた。
つぷり。そう開いてしまった後は、もう。
ずるり。ぬるり。体の重みで腰を落としてしまう。
ずぶりぐわりと私の中を押し広げ犯すそれ。
圧迫感。違和感。いくら蕩けていても感じる異物感、苦しさ。
快楽を得られる様に主に仕込まれたその器官が満たされた歓喜。
その全部を合わせても足りないほどの屈辱感。
こんなものを易々と飲み込んでしまう自分の体。
ぎゅっと目を閉じて首を振って、その恥辱をやり過ごそうとしているのに。
「目を開け」
「ほら、俺の目を見ていなさい」主の声でようやく顔を上げ、目を開き。
その傲岸な視線に捉えられたら、もう私の羞恥心などひとたまりもない。
だけどさらにもろくも崩れるのは私の体。
意識よりもずっと快楽に従順で、主に服従すること自体が歓びだとよく知っている。
主の目を見ながら体に飲み込んだそれは、まるで主のもののような錯覚を起こさせる。
そうじゃないことをわかっているけれど、でも主の意思だ。
私を玩び快楽で辱めたいという主の意図。
狂う私を見て楽しみたい主を満足させようと勝手に思い込み、その気持ちにあっけなく屈服する。
私は主の上で腰を振る時よりももっとはしたなく体をうごめかせ、それに抉られて淫らに踊り、とめどなく何度でもいき続けた。
いくのなら許可を得ないといけない、勝手にいったら罰されると頭ではわかっているのに。
なのに体は止められない。
主の蔑むような視線さえ嬉しくて、まるで動力が備わった人形のように動き続け、体を道具にこすりつけるようにしてあさましく快楽を貪っていた。
私があまりにむざむざと溺れてしまったからか、
「簡単にいってしまうと面白くないな」主にその道具から下ろされて。
さっきまで充たされていたのに、抜かれてしまったから。
その空虚を埋めようと、私は主の性器にむしゃぶりついた・・・と思う。
次の記憶はもう、呆れたような主の言葉。
「お前はほんとに快楽のための道具だな」