
不思議。一年前には、こんな日がくることを考えてもいなかった。こうなることを願って始めたことじゃないし、こんな形があることさえ思いつかなかった。ここを目指してきたわけじゃない。だから、ここがゴールでもない。これからも続いていく日々の中の、ただ次の章にうつるだけ。私は主と過ごすようになるまで、SLにBDSMの世界があることを知らなかった。何もわからないまま主の許に来て、最初の二ヶ月は他の人と会うこともなく、口をきくこともなかった。このブログを始めてからは、少しだけ行動半径を広げるようになって、親しい友人もできたけど。今でも、主のことを人前でご主人さまとは呼ばない。主も人前で私を奴隷扱いすることはない。日常的に首輪やカフを身に着け、ブログで主と奴隷である側面も公開していても、それでも頑固にその点を変えない。こういうスタイルになることを、一年前の主でさえ考えていなかっただろう。今まで静かにここで二人で過ごしてきて、私は随分安定したと思う。マゾヒストの強烈な自己破壊願望を、主は穏やかに受け入れ、私の代わりにそれを満たしてくれる。自分では加減ができないその欲望を、主は自分のためだけでなく、私のためにもたっぷりとそれを楽しんでくれる。私は主を本当に満たせているんだろうか?私は本当に主の欲しいものをあげられているんだろうか?主も私も、当たり前に大人で、一人の社会人で。サディズムやマゾヒズムをもっていても、それを恥じて、笑ってもいて。それが本当は大きな恐ろしいものだとわかっているから、簡単に相手を探せない。欲しがれない。消せないその本性を見せるのは、たった一人の相手だけでいいから。なのに、出会えたから。私はこの幸福に感謝します。静かに、静かに。ここは時間と音楽がゆっくりと流れる、主の王国。この一週間は本当に忙しい時間でした。でもようやく、明日、ここに友人たちが集まってきてくれるのを待つばかりとなりました。BGM:Richard...