2009年7月17日金曜日

泣けばいいんだよ、と主は笑った

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(毎度お馴染み、写真は本文とは関係ありません)




「しおりは玩具だろ?」と主が問う。

私は、はい、と小さく頷く。

「そうだね」
「俺が楽しむために、使ってやるよ」


かまいません、嬉しいもんと恥ずかしくて下を向いて返事をすると、小さな子供にするように髪を撫でてくれた。


「久しぶりに飛行艇の方でもしおりを使ってやらないと^^」

「久しぶりに鞭の音も聞きたいだろ?」

そろそろしおりの体に添うように馴染んできたかな」
「時々確認しないとね^^」



裸の背中に優しく指先で触れながら、主が言う。


「この背中が赤くなっていくのがたまらないんだよ」


楽しみを先延ばしにして、自分をじらして楽しんでいるかのような主。
今は傷一つない背中を、愛でるように撫でてくれる。




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・・・なぜ痛くて泣くことがわかっているのに、そうしてほしいと思うんだろう。
なぜひどくしてなんて思うんだろう。

小さな声で主に尋ねると、主は私の背中からお尻までつうっと指先を滑らせ、手のひらで感触を味わいながら答えた。


「ここが」
「そうして欲しいんだよ」


・・・そうなのですか?

「考えるんじゃなくて」
「感じるんだよ」



私は目を閉じる。

目の前が真っ白になるような痛み、自分の声とも思えぬような苦痛の叫び、ただ叫んで、泣いて、その先で空っぽになりリセットさせられる自分を思い浮かべる。

・・・いやだ。

そう思うのは、自分に戸惑いが消えないから。

何がほしいの?
なぜそれがほしいの?
主は何がほしいの?
私はそれをあげられるの?


・・・混乱し、いやだともう一度呟いて黙りこんだ私を、主は笑った。


「わからなくなったら、泣けばいいんだよ^^」

・・・そうなのですか?

「うん、ただ泣けばいい」


その手が鞭を握ることが嘘のように、主は優しい。


・・・そこまでつれて行ってください。
ご主人さまだけが私を救えるところまで、つれて行ってください。


「よしよし」

「つれて行くよ」
「わからなくなって、泣いても」
「つれて行くからね」


かまいません。
私はご主人さまのもの。

「よしよし」

「ゆっくりと」
「まだまだ落としていくからね」


はい。
一緒にいてくれるなら、どこまででも行きたい。

「そうしなさい」


「ついて来なさい^^」



  

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