2011年7月1日金曜日

どちらにしろ玩具








親指、人差し指、中指。
主の3本の指で乳首を捻り潰されて思わず、いやと声をあげた。


主は指を止める。
噛んで含めるかのように私に言い聞かす。


「いや、じゃないだろう」
「ありがとうございます、だろう」



もう一度指先に力をこめられる。
ぎりぎりと強まる痛み。体がぎゅっとこわばる。


いや、痛いの、痛い
いたあああいいいいい


「それもいただけないな」
「痛いです、だろう」



主が乳首から手を外す。
安堵の溜め息をつこうとした瞬間、胸の肉を容赦なく平手で連打されて、
私はもういやだと泣き声をあげた。
痛い。


「ほら」


また主の指が乳首をなぞる。
爪の先で優しく掻くように愛おしんでくれる。
さっきまで痛めつけられていたそこはひどく敏感になっていて、
軽やかな感触に一瞬で硬く尖ってしまう。はしたない体。
快楽がきゅんっと体を走り抜け、思わず甘えた声をあげた私の目を主がのぞきこんだ。
その静かなまなざし。


指先に一気に力が加えられた。
私はもう叫ぶこともできず、喉の奥で呻き続けた。
視線を外さず、容赦なく乳首を捻り上げる主。
痛い。体が変形する恐怖。醜く伸びた乳首を想像して私は硬直する。


「言ってごらん」
「痛いです」



いやだ痛い


主の目が苛立ちを帯びる。
ああいやだ、お願いです怒らないで。
あなたが怒る方がもっといやだ。
私はがくがくと頷いた。




・・・痛いです
痛いです
乳首痛いです


「そうだ」
「ありがとうございます、は?」



ありがとうございます


「よし」


解放してもらえると思ったのに、乳首をさらに捩り上げられた。
爪を立てられる。
激痛。涙がにじんでくる。


千切れる
いたあああああいいいいいいい


主に伝えようとしているのではない。
ただ腹の底から膨れ上がる苦痛で無意識に叫んだ。


「違う」
「痛いです、だ」



静かな主の声。



・・・痛いです


「痛くされて嬉しいね」
「ちゃんと礼を言いなさい」



嬉しいです、ありがとうございます


ああ、この苦痛から逃れられるならなんだって言える。


痛いです
ありがとうございます
ありがとうございます


「そうだ」



ようやく主が指をゆるめてくれる。


ずきずきと痛む乳首を持て余し、私の脳はその途端に姑息に考え始めた。
本当に痛いときに、痛いですなんて言っていられるわけがないじゃないか。


だけどそう言わないと、さらに罰で痛めつけられる?




ああ、それなら。


主はもうどちらでも楽しいんだ。
苦痛を訴えるのに奴隷の言葉遣いをさせる、自分の躾の成果を見るのも、
それもできない程の苦痛を与えて、さらに罰を与えて叱りいたぶるのも。


どちらにしろ、私が玩具になるのだから。




 

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