とまどい
(毎度お馴染み、写真は別の日のものです^^;)
時々ふと、随分遠くまで来たんだなと思う。
マゾヒストではあっても、まったくD&Sの指向がなかった私が、主にも私自身にも意外なくらいすんなりとこの生活に溶け込んで、もうじき一年が経つ。
少しアップの間隔が空いてしまったのは、私のせい。
正直に言うと、私はとてもとまどっているんだ。
私の最近の変化というのは、どうしちゃったんだろう?と思うくらい、自分にとっては大きなもので。
主はとても楽しんでくれている。
それは嬉しい。
だけど、そんなことをここにどうやって書いたらいいの?
おかしいね、今までだってさんざん、ハズカシクテ死ニソウニナルヨウナコトをさらりと書いてきたのに。
望むことが苦手、快楽が苦手。
そういう私が、主の無言の誘導のままに、自分から求めることを口にするようになって。
��主は私を命令によって強制的に変えるということは絶対にない。あくまでそこに私が自然に行き着くように、時間も手間もかけてくれる。だから奴隷指向ゼロ、主従ごっこは勘弁してという私でさえ、主に対しては自然に望まれるままでいられる)
一体私はどうしちゃったんだろう?
「鞭もしおりに手入れさせようか」と主が笑う。
「自分が打たれる鞭だろう?」
「だったら自分で手入れもしないといけないね」
「から拭きして、少しだけミンクオイルで全体を拭いて」
「またから拭きだ」
・・・はい。
「オイルが浸透してしなやかになって」
「打った時にいい音がして体に絡みつくように」
「なめすように手入れしないといけないね」
・・・う・・・。
「しおりの汗と、ミンクオイルと革の匂いで」
「何とも言えない妖しい芳香を放つようになるよ」
むせ返るような香りが実際に鼻をつくような気がする。
革の香りは冬を思い出させるのと同じくらい、苦痛と快楽を思い起こさせる・・・。
「打つ前に鼻に持っていって、はらはらと顔を撫でてやろう」
「その香りが打たれる快感を目覚めさせるスイッチになる」
優しく頬に触れる革の感触。あれ程の苦痛を与えるものとは思えないほど、しなやかでつややかな黒い革。馴染んだ匂い。
怯え、でもどこかでそれを待ちこがれ。苦痛の果ての解放の快楽を思い、体温が上がり始める。
・・・私はその内に、自分からお尻を振って、鞭打ってくださいと鼻をならしてねだるようになってしまうのでしょうか?
「どうかな? ふふ」
「打つ前にいつもその匂いを嗅がせよう」
「その内にだんだんスイッチが形成されてくるかもしれないよ」
「匂いを嗅ぐだけで 甘い痛みを想像するように」
・・・うう・・・・
「そうしたら匂いをかぐだけでお尻を振る、はしたない奴隷になるかもしれないね」
・・・そんなのは嫌です。
そんなことしないように、打たれるのが好きになんてならないように、打たれるのならひどく打たれたい。
「どうだろうね」
「手入れをしている内に鞭が愛おしくなってくるかもしれないよ」
・・・ご主人さまはどうさせたいのですか?
「それは教えないよ」
「しおりがどんな風になるのかを見て楽しむんだから^^」
・・・いやじゃないのですか?
こんな発情してばかりの奴隷・・・。
「ふふふ」
「楽しいよ」
「どんどん酷くしても、それを快感にしてしまう」
「虐めていて楽しいよ」
主がそれでいいと言ってくれるのだから、本当にそれでいいんだと頭ではわかっているのだけど。
私はどうしても、こういう自分に慣れない。
どうしたらいいかわからないという訳じゃない。
ただ主を見ていればいいんだもの。ただついていけばいいんだもの。
主はその信頼に足る男性だと思っている。
ただ、こういう自分に慣れないんだ。
それはとても不安で、主の他頼れるものは何もなくて。
けれど、その状態も、主はわかっているんだろう。
ただ自分の手だけを頼りにすることに、私を慣れさせたいのかも知れない。
「教えないよ^^」と笑う主。
他に何もない。ただ主だけがいる。
私はこんな遠くに来てしまったんだ。
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