
叩かれ過ぎた所がひどく熱をもって、体がだるい。
叩かれ始めるときは、充実したものが弾けるような、気持ちの良い痛み。
体が敏感になり、感覚が研ぎ澄まされる。
徐々に皮膚表面のはじけるような感覚は弱くなり、
熱をもち、少しずつ体が慣れ始める。
打たれている実感。

主の楽しみのためであったり、
主がこうし向けたいという躾のためであったり、
淫らな私への罰であったり、
理由は日によって違う、理由なんてないこともある。
私はただ、自分が主のものである実感を、苦痛とともに味わう。
打たれる緊張。
お尻の筋肉だって力を抜いている時よりずっと固くなる。

もう大丈夫だとばかりに、主は徐々に手の力を強める。
本当に痛みを与えたいなら、足との境目、肉が薄くなるところ。
叩く音を楽しみ、赤くなる皮膚を愛でるならお尻の丸み。
楽しげに、私の悲鳴を聞きながら。
痛い。
ずきずきと痛み始めた肉。
最初の頃の熱を帯び始めたむず痒さは消えて、今はただ表面の痛みが体内に直接届く。
苦痛が骨まで響き、思考が止まる。
聞こえるのはただ打たれる音、自分の叫び声、主の荒い呼吸、それだけ。
腫れ上がっているのを感じる。
痛いくせに感覚が嫌な鈍さになっている。
そっと指先で触れてみると、ひどい熱に、ぼこぼことした感触。

ここからが本当の狂える時間。
耐えかねて、これ以上の痛みを受けたくなくて、ごめんなさいと言う。
なんでもすると主に誓う。
主は叩き、泣きわめかせる快楽で興奮しきっている。
追い詰められ過ぎて恥の感覚が麻痺していく。
主の命じるままに際限なく淫らになる私。
それを見て楽しみ、蔑んで嘲笑い、さらに罰を与えて追い込む主。
他の何もいらない。何も見ない。
私を苦しめ、空っぽにし、最後に必ず抱いて連れ戻してくれる主だけが
この瞬間、この世界にいる。
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