2008年9月29日月曜日

符合するもの

主とは、こうして暮らしだす前からの元々の趣味が近かった。
好きな店が同じだったり、選ぶものが同じだったり、
そういうことは沢山あるのだけれど。

この前、あるゴスのお店で見た着物について「解釈の違う大正浪漫みたいだね」と言った主の言葉から始まった会話でわかったのが、二人とも同じ作家が好きだったこと。

淫靡な世界観、澱んだ血。
貞淑にして淫らな女たちに正邪明らかならぬ男たち。
洋館には赤いベルベット、螺鈿細工のテーブル。
和の建築なら、障子越しに揺れる蝋燭の灯、欄間を通してひそやかに漏れる声。
枯山水に音もなく落ちる紅葉。
そして・・・座敷牢に檻。
おぞましくも妖しく蠱惑的な物語。
















私が主の望む生活にとけ込めた理由の一つが、子供の頃に刷り込まれた世界観にあったというのは面白いなと思う。
それぞれに幼い頃から同じものを読み、同じものを想像し、同じような妄想に馴染んできたこと・・・。

その符号を怖いと言う私に、主は笑って答えてくれる。
「二人でいれば大丈夫だよ」
「僕の狂気をしおりと一緒に過ごすから」
















主の狂気は・・・もちろん恐ろしい。
だけど、その恐怖から救ってくれるのも主。
私を泣かせるのも苦しめるのも主。
だけど、かけがえのないものと誰よりも何よりも大切にしてくれるのも主。

私はその愛情に、素直に膝をつく。
計り知れない大きさの前で、自分を無にする幸福を存分に味わっている。

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