(承前(主のたまご・1)(主のたまご・2))
「なぜお尻に精液入れさせたままか分かるかな?」
・・・わかりません。
「教えてやろう」
「精液がおまんこに入ると赤ちゃんが生まれるね」
はい
「しおりは奴隷だからそのシミュレーションをさせてやろう」
「しおりはお尻から、たまごを産むんだ」
・・・たまご?
「明日お尻にウズラのゆでたまごを入れてやろう」
「殻をむいたやつを」
・・・・・。
「たっぷりローションつけて」
「ひとつずつ、押し込んでやる」
「何個入るかな」
「入らなくなったら今度は出すんだ」
・・・たまご・・・うむの・・・。
「自分で出すんだよ」
「僕が手で受けてやろう」
「お尻から真っ白なたまごを産むんだ」
・・・。
「小さな肛門からかわいい白いたまごが顔をのぞかせて」
「僕の手の中に産み落とすんだ」
想像する。ぶるぶると震えながら、ウズラのたまごを産む自分の格好。
倒錯。背徳。
それしか感じない。
羞恥心などとっくに越えている。今さら屈辱もない。
うなずく。しぼりだすように、はいと答える。
「狂うんだよ」
・・・はい、狂います・・・。
「しおりは奴隷だから」
「僕の精液にまみれた卵を産むんだ」
「嬉しいだろ」
はい。うれしいです・・・。
「完全に僕の物になったね」
「大好きだよ、しおり」
「一緒に堕ちてくれて、僕もすごい嬉しいよ」
いつものように穏やかに笑い、私をしっかりと抱きしめてから、「また明日もたっぷり狂わせてあげるよ」と言い残して、主がログアウトする。
私は一人そのまま風呂の中で丸くなる。
膣に入った精液はそんなこともないのだろうけれど、直腸では、生体レベルでの拒否反応として、便意がきざすことがあるという。主も変なことをよく知っているなと、ぼんやりと思う。
そう、倒錯、背徳。
今さら何を驚くこともない。
私は明日、主のたまごを産むんだ。
そう思った。
翌日、主はインした私を前日と同じように服を脱がせ、バスルームに連れて行った。
座らせ、用意したたまごのオブジェクトを私に見せてから、四つん這いの姿勢をとらせる。
お尻の穴をどうやってほぐすか、丁寧に言葉をつむいでいく。
その言葉に翻弄され、抵抗こそしないものの、リラックスもできない私に力を抜かせて、ゆっくりと押し込む。
「苦しいか」と問いかけながら、たっぷり時間をかけて嬲り、たまごを体温であたためさせた後、私を座り直させ、また時間をかけていきませた。
主の命令どおりに呼吸し、力を入れ、また力を抜き。
ぎりぎりと歯を食いしばり、うめき声をあげ、そこだけに意識を集中し。
私はたまごを産み落とした。
「見てみろ」
「しおりが産んだたまごだ」
オブジェクトだとわかっている。
でも、小さな白いそれが、限りなく貴いものに思えてくる。
「ほら、しおりも触ってごらん」
主が私の体を操作し、手をさしださせ、さっきまで私の体内にあったたまごを乗せてくれる。
私は敬虔な気持ちで、それをそっと握ってみた。
ごしゅじんさまのたまご?と恐る恐る聞く私に、
「しおりと僕のたまごだよ」
主は優しく笑った。
(主のたまご・終)
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